ロシアのウラン採鉱企業 ウラニウム・ワン社を買収

ロシアのウラン採鉱企業であるアトムレドメトゾロト(ARMZ)社は8日、東京電力や東芝が一部出資しているカナダのウラニウム・ワン(UO)社の企業支配権を獲得することになったと発表した。日本企業のUO社参加は自主開発した権益によるウランの安定調達や経済性向上が目的だが、原子力の新規導入国をはじめ世界各地で原子炉の新規建設計画が浮上するなか、世界のウランの争奪戦は一層激化の様相を呈している。

現時点でARMZ社によるUO社への出資比率は23.1%だが、今回の両社の合意により、ARMZ社はカザフスタンで保有しているアクバスタウ・ウラン鉱山の権益50%とザレチヌイ鉱山の権益49.7%、および現金6億1000万ドルと引き替えに、UO社が新規に発行する普通株3億5600万株を取得。これにより、ARMZ社の保有株式は51%を超え、1ポンドあたり20米ドル以下という安価なU生産企業の支配権を手中に収めることになる。

また、これにともない、ウラン精鉱の引取り協定改定でUO社と合意。出資比率に見合った量の引取りが可能になる。さらに、これらの契約手続き完了後には、UO社の重役会メンバーが現在の13名から9名に削減されるが、このうち2名はARMZ社の指名。加えて3名を指名する権利も与えられる。契約手続きにはカザフスタンの関係省庁など複数の承認が必要で、8月の株主総会での票決等を経て、今年末までに完了する見通しだ。


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