照射ジャガイモ 食品安全委が適法のみ返答

先週号2面で既報の通り、照射食品に反対する団体などが販売中止を求めた結果、複数のスーパー・マーケットで、照射ジャガイモの小売りを中止していたことについて、市民団体「食のコミュニケーション円卓会議」(市川まりこ代表)が、この問題を憂慮し、食品安全委員会などに質問書を送付した件で、市川代表は、同委などから返答があったことを明らかにした。

ただ、回答の中身はいずれも、照射ジャガイモの適法性を明記するだけにとどまるもので、販売中止についてはなにも触れていない。

7日付の食品安全委員会からの回答は、我が国の食品衛生法に基づくジャガイモの照射基準が150グレイ以下であること、同委の公募型研究である食品健康影響評価技術研究により、09年度から3年計画で、食品に放射線を照射した場合に検出されるアルキルシクロブタノンについて、健康影響に関する科学的知見を収集するための研究が実施されていることを明らかにした。

同7日付の厚労省食品安全部基準審査課の回答では、発芽防止目的のジャガイモへの放射線照射は、放射線の線源、種類、再照射防止を規定した上で、認められており、「現時点において、この取り扱いの変更が必要となるような安全性に関する新たな知見は把握していない」と述べるにとどまった。

同8日付の農水省消費・安全政策課からの回答は、「厚生労働省、食品安全委員会から責任をもって回答がなされるものと承知している」としている。


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