原子力協力で覚書調印 ロスアトム社と仏電力

ロシアの原子力総合企業であるロスアトム社は19日、フランス電力(EDF)と原子力分野における協力覚書(MOU)に調印した。

これは両者が今後、研究開発や原子燃料、既存炉および建設中原子炉等の項目で協力していく枠組みとなるもの。双方の産業サイトや施設の相互訪問を含む教育訓練、および知見を交換する基盤として機能する。協力項目ごとに委員会を設置するほか、これらを統括する戦略委員会を創設することになっている。

EDFはこれまでに、米国や中国で仏国製・欧州加圧水型炉(EPR)の売り込みを行っているほか、英国とイタリアではEPR建設のための合弁事業を設立した。ロシア側としては、このように海外展開活動の活発なEDFと連携することで、西欧その他の市場に参入する狙いがある模様。

一方、EDFは昨年末にH.プログリオ氏を新たな会長兼CEOに迎えており、同会長が目標とする保有原子炉の稼働実績向上や運転寿命延長、世界市場における地位の回復などに、ロシアとの協力を役立てていくと見られている。


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