仏アルストム社、米チャタヌーガで 大型タービン製造工場開設

発電設備や輸送機器製造の大手である仏国のアルストム社は6月24日、総投資額約3億ドルで米テネシー州のチャタヌーガに発電所用・大型タービン発電機器製造工場を開設した。

原子力発電所の新設計画が進展しつつある同国での需要拡大が見込まれることから、北米発電機器市場に進出するのが狙い。既に、北米で欧州加圧水型炉(EPR)の売り込みを進めているユニスター社に対しては、少なくとも4基のタービン発電機を新工場で製造し、納入することになっている。

アルストム社によると、新工場で製造するのは火力用および原子力用の蒸気タービン、ガスタービン、および大型発電機などで、既存の旧型タービンを最新鋭に改造することも可能。原子力用蒸気タービンの製造については、世界でも最大規模となる出力170万kW級の「アラベル」の製造に必要な機器を装備しており、次世代原子力発電所の機器製造にも対応できる。

米国の中央部という大型発電機器の製造・出荷には理想的な立地条件にあるほか、道路や鉄道網、水路とのアクセスも良好。テネシー川を利用して、重量1000トンまでの機材の揚げ降ろしが可能なドックを装備しているのが最大の特長だと強調している。

同社はすでに、仏国、ドイツ、スイス、中国でタービン製造工場を操業中で、中国では広東大亜湾発電所や嶺澳発電所に対してタービン機器の納入実績がある。


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