カナダ・カメコ社 中国の2社と供給協定

カナダの大手ウラン生産業者のカメコ社はこのほど、中国の2つの原子力事業者とウランの長期的な供給協力に関する合意文書に調印した。同国の大規模な原子力開発計画を見込み、いち早く販路を確保する戦略だ。

1件は中国核工業集団公司(CNNC)の子会社で、ウラン精鉱を含めた原子力資機材の輸出入を担当する中国原子能工業公司(CNEIC)との合意。2020年までの10年間、総計2300万ポンドのウラン精鉱をCNEICに供給することになる。中国政府の承認が得られ次第、実行に移される。

CNNCは現在、7基・約520万kWの原子力発電所を運転するほか、10基・約1000万kWを建設している。カメコ社では、中国が2020年までに原子力設備を7000万kW、30年までに1億2000万〜1億6000万kW以上に拡大すると伝えている報告書に言及。「今回の合意は、当社が中国の大手原子力発電事業者と初めて結んだ長期供給案件」と評価した。

また、同社が立てた「18年までにウラン生産規模を倍増」という計画は、中国の原子力発電拡大計画が基盤になっていることを明らかにした。

もう1件は、国内で建設中の原子炉基数が10基以上という中国広東核電集団有限公司(CGNPC)との協力合意。同社が保有する原子炉4基と建設中原子炉への将来の長期的なウラン供給について交渉していくため、拘束力のない枠組みの構築で合意に達したもの。今後、ウラン資源共同開発の可能性も含めて、協議していく。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで