日本原燃 溶融炉異常で最終報告 炉内、有意な損傷なし

日本原燃は、7月28日、六ヶ所再処理施設の高レベル廃液ガラス溶融炉A系での炉内異常に関する最終報告を、原子力安全・保安院に提出した。08年に発生した炉内天井レンガ脱落等に関し、原因調査・対策検討を行ったもの。

今回報告では、脱落したレンガの回収、炉内のガラスの抜き出し、炉内観察等を実施した上で、炉内に異物が残存せず、他に有意な損傷がないことなどを確認した。原因については、これまでの経過報告で推定した通り、@天井レンガの脱落は間接加熱装置の急激な温度降下の繰り返しによるAかくはん棒の曲がりはおもりとパワーマニピュレータ(遠隔保守用のロボットアーム)による押し込み荷重が当初の想定を超えたため――に変わりはないとしている。

対策としては、温度降下が緩やかになるように間接加熱装置の運転操作を行うことに加え、レンガの脱落を想定した作業手順の整備、定期的なガラス溶融炉の炉内観察など、措置を講じることとしている。

六ヶ所再処理施設は現在、アクティブ試験の終盤段階にあり、これまでに使用済み燃料425トンを処理し、MOX製品約6.7トンHM、ガラス固化体117本を製造しているが、溶融ガラスの流下ノズル閉塞により中断されており、原燃では、今後の試験再開に際して、ガラス溶融炉の運転方法の改善策を取りまとめている。


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