中国 三門建設で安全注入系を設置

中国国家核電技術公司(SNPTC)は6日、浙江省で建設中の三門原子力発電所で1号機の安全注入タンクを設置したと発表した。世界で初のAP1000となる同炉の建設計画も、いよいよ主要機器の本格的な設置段階に入った。

AP1000の受動型安全システムでは、ポンプなどの外部動力を使わずに重力などの自然の法則を利用。設置された炭素鋼製の安全注入タンクはステンレス鋼で内張りされており、重さは38トン、球形で56立方メートルの容積がある。内部にはホウ酸溶液のほかに高圧の窒素ガスが駆動源として蓄えられ、冷却系の圧力が安全注入系の圧力を下回った場合に空気圧によってバルブが開き、ホウ酸水を炉心に注入する仕組みだ。

SNPTCは新世代の原子炉技術開発のために設立された機関で、AP1000のような第3世代原子炉の技術習得に加えて、圧力容器や格納容器、機器モジュールなどの国内生産を目指している。三門発電所の2基のほかに、山東省の海陽発電所でもAP1000を建設中で、いずれは同設計をベースに大型化したCAP1400を設計、建設、運転する計画となっている。


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