ホライズン社、英国の候補地で サイト固有調査実施へ

英国で新規原子炉の建設を計画しているホライズン・ニュークリア社は2日、ウェールズ地方北部のウィルファ建設候補地で準備調査を行うため、仏アレバ社、およびウェスチングハウス(WH)社が率いる企業連合(NPDUK社)の両方と契約を結んだ。

同建設計画で候補となっている欧州加圧水型炉(EPR)、あるいはAP1000を採用した場合の、サイト固有の発電所設計について調査するのが目的で、年末までの期間に実施する計画だ。ホライズン社はドイツのRWE社とE・ON社による合弁事業体だが、この作業と並行して原子炉設計に関する競争入札に関しても年末までに結果を出す考え。候補の原子炉設計それぞれについて準備調査を実施しておくことにより、2020年の完成を目指す同計画での認可手続きが円滑に進むと期待している。

現在英国では、政府の保健安全執行部(HSE)がEPRとAP1000の2設計について、事前設計認可の一種である包括的設計審査(GDA)を実施中。EPRに関しては計装制御(I&C)系の安全性について、AP1000では遮へい建屋による安全系の防護性能について問題提起するなど、アレバ社とWH社双方に対して追加の実証文書提出を要求しているが、来年夏までには正式認証前の手続きを完了すると見られている。

今回の契約締結について、アレバ社およびNPDUK社は一様に歓迎。アレバ社は、ホライズン社がグローセスターシャー地方に用地確保したオールドベリーでもEPRの納入が見込めるとし、ホライズン社の本拠地であるグローセスターにプロジェクト事務所を開所した。WH社を筆頭にショー・グループ、東芝などで構成されるNPDUK社は、AP1000がすでに中国でスケジュールどおり順調に建設中である点を強調。建設工期と予算の部分を武器にアピールしていきたいと述べた。


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