岡田外相が訪印 協力原則伝える 「核実験なら協力停止」

岡田克也外相は21日、22日にインドを訪問した。

21日の首都デリーでのクリシュナ外相との第4回日印外相間戦略対話では、民生用原子力協力に関し、クリシュナ外相より日印原子力協力協定の交渉開始決定に対する謝意が示され、岡田外相からは「外務大臣として最も困難な決断だった」ことを述べ、「仮にインドが核実験を実施した場合には、日本としては原子力協力を停止せざるを得ない」と伝えた。

さらに同相は、インドに対し核軍縮・不拡散でのさらなる具体的な取組みを行うことを要請し、インドによる包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期署名・批准や核兵器用核分裂物質生産モラトリアムに向けた努力を重視している旨を述べた。

クリシュナ外相は、インドによる一方的な核実験モラトリアムへのコミットメントを改めて表明すると共に、原子力協定交渉のスケジュールは設けておらず、良い合意に向けて日本と協働していきたい旨述べた。

さらに岡田外相は同日、マンモハン・シン首相を表敬訪問(=写真)し、原子力協力協定の交渉開始を踏まえ、インドによる核軍縮・不拡散の一層の取組みを要請した。

これに対しシン首相からは、原子力協力協定の交渉開始を歓迎する意向が示されるとともに、インドの核実験モラトリアムの継続や核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT、カットオフ条約)を策定していきたいなど、インド側の姿勢について説明した上で、引き続き核のない世界に向けて日本側と協力していきたいとの発言があった。

また両氏は、国連安保理事会改革の実現に向けて日印両国で協力していくことで一致した。


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