福島第一3 プルサーマル開始へ 国の許可から11年

東京電力の福島第一原子力発電所3号機(78.4万kW、BWR)は18日10時、MOX燃料を装荷して原子炉を起動、23日にもプルサーマル発電開始となる見込み。1999年に国の許可を得て以来、実に11年ぶりのこと。昨年11月に九州電力玄海3号機で本格スタートした国内のプルサーマル発電は、次いで今年3月に四国電力伊方3号機でも開始され、今回の福島第一3号機は3基目、BWRでは初めてとなる。

福島第一3号機のプルサーマルは、99年7月に実施に係わる国の許可を取得したものの、立地自治体の了解が得られず、これまで、計画が中断されていた。今年に入って、福島県の佐藤雄平知事が、立地町および県議会の要請、県エネルギー政策検討会の議論などを踏まえ、プルサーマル実施受け入れに向け、2月に、耐震安全性の確保、高経年化対策の実施、長期保管MOX燃料の健全性確認の、「技術的3条件」を提示した。これに対し、東京電力では5月、いずれについてもプルサーマル実施に当たり、問題となる事項のないことを確認の上、報告書を取りまとめ、国および県に提出、さらに、原子力安全・保安院も7月、専門家による審議、現地立入検査を通じ、これら3条件に対する評価結果を妥当なものと評価し、8月6日、佐藤知事はプルサーマル実施受け入れを表明した。

6月19日より定期検査を実施している福島第一3号機では、8月下旬に、MOX燃料を装荷、9月3日には、地元の安全確認プロジェクトチームによる視察も入り、制御棒駆動状況の確認が行われるなど、原子炉起動に向けた準備を着々と進めてきた。

発電開始後は、国の最終検査を経て10月中にも営業運転入りとなる予定だ。


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