核融合研究作業部会 推進ロードマップ整理 JT‐60SA研究推進

文部科学省の「原子力分野の研究開発に関する委員会」核融合研究作業部会(主査・小森彰夫・核融合研究所長)は14日、今後の原型炉開発に向けた技術課題、推進体制など、核融合推進のためのロードマップについて整理した。

同作業部会では、現在の核融合研究開発「第3段階」から、その進展を踏まえ、原型炉によって技術的実証と経済的実証を検証する「第4段階」への移行を含めた適切な判断を要する認識から、核融合研究の現状と課題を把握し、研究開発項目の優先度や合理的戦略化を明示すべく、ロードマップを検討してきた。

今回の審議状況の整理ではまず、核融合研究開発の意義・有用性を、温室効果ガス削減に大きく貢献できる最適なエネルギー供給構成源として、再認識した上で、発電プラントとして、技術的成立性の実証を目指す原型炉に求められるロードマップ上の目標を掲げた。

原子力委員会が05年にまとめた報告書では、最短で20年代初頭に、主要な基本性能を達成し、原型炉段階へ移行し建設を進めれば、30年代から連続的な発電、今世紀中葉にも実用化の見通しを得ることが可能との見方を示している。

原型炉段階移行の可否判断に向けた技術課題で、特に喫緊のものとしては、ITERテストブランケット開発や、既存の各プロジェクトの位置付けと方向性が指摘された。例えば、「JT―60SA」計画については、実用化につながる一定の経済性見通しを得るため、ITERで行うことが難しい「原型炉で必要となる高出力密度を可能とする高圧力プラズマの長期間維持」を実現するものとして、研究推進の必要を強調している。

また、研究開発の推進体制については、核融合研究全体の整合性と合理性幅広いサポート体制の構築が求められた。


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