リトアニアのビサギナス計画 入札手続きが第2段階に

リトアニア・エネルギー省は10日、ビサギナス原子力発電所建設計画の実施会社となるビサギナス原子力発電会社(VAE社)への戦略的な出資候補者に対し、11月までに拘束力のある提案を提出するよう要請した。

リトアニアは昨年末、同国唯一の原子力発電所だったイグナリナ2号機を閉鎖。その代替電源となるビサギナス原子力発電所を2018〜20年に完成させるため、昨年12月8日に同計画の設計・建設・運転および閉鎖に関する諸条件を記した入札書を潜在的な海外出資者(仏電力や独E・ON社、伊電力公社、バッテンフォール社などを想定)に開示していた。

入札参加者が提出した拘束力のない提案書は、入札条件を満たしていることを同計画の特権委員会が評価した上でエネルギー省のA.セクモカス大臣が承認。今回、その次の段階として契約上拘束力を有する提案書の提出を指示したもので、エネルギー省ではそれらに基づいて年末までに将来の戦略的な投資家候補を選定し、交渉を開始したいとしている。

同計画は国際連携線によってリトアニアを含めたバルト地域全体の電力供給力増強に資すると期待されており、バルト3国の電力会社も小口の出資者として参加する可能性がある。また、欧州連合(EU)の目指すグリーン・エネルギー政策にも合致しているため、同計画の推進に関しては、欧州委員会(EC)エネルギー委員のG.エッティンガー氏も「一地域のプロジェクトは欧州全体にとっても有意義」との見解を表明した。

この関連で、バルト3国の電力市場は2014〜15年までに欧州電力市場と統合することが計画されている。バルト3国およびポーランドの関係閣僚らは今年5月末、エッティンガー委員の同席の元で、「バルト地域エネルギー市場相互接続計画の枠組みの中で原子力発電に関する高官タスクフォースを設立する」との共同コミュニケに調印。ビサギナス建設計画の成功に向けて、関係国が緊密に連携し、政府支援を強化することで合意した。


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