日印 原子力協定へ前進 シン首相来日し、首脳会談 エネ急増への協力期待

24日から26日までわが国を公式訪問したインドのマンモハン・シン首相は、菅直人首相、前原誠司外相、大畠章宏経産相と相次いで会談し、25日には、日印原子力協定交渉開始の歓迎を盛り込んだ共同声明、および日印経済連携協定の合意に関する共同宣言に署名がなされた。

首脳会談後の共同記者会見で、菅首相は現在交渉中の日印原子力協定について、「我が国の核被爆国民感情に改めて理解をいただきながら、協定交渉を加速することで一致した」と述べた。

シン首相も、両国の原子力協力が「互いにメリットのあるもう1つの分野になり得るものだ」と強調した。

シン首相は同日、前原外相とも会談し、両国の原子力協力をめぐり、二国間協定の交渉が開始されたことを歓迎するとともに、あらためてインドが核実験のモラトリアムを継続している点に言及。対して前原大臣は、核実験モラトリアムの継続を評価しながらも、唯一の被爆国である日本の国民感情を伝えた。

また、シン首相は、日本経済団体連合会主催の昼食会でも講演し、今後の日印両国の原子力協力について期待を述べた。

同首相は、著しい経済成長にともないインドのエネルギー需要は急速に拡大しており、エネルギーの効率的利用で世界をリードする日本は、力を貸すことができると指摘。クリーンで効率的な原子力発電は、インドにとり重要なエネルギー源であることを強調した上で、原子力分野での協力関係が進展することにより、日本企業によるインドの原子力発電開発への参入が可能となると述べ、原子力発電開発における日印のパートナーシップ構築に対する期待を寄せた。

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前原外相 ベトナムとは実質合意

前原外相は22日の会見で、日本とベトナムの原子力協定が実質合意に達したと発表した。今後、両国政府での手続きを踏まえ、菅首相のASEAN関連首脳会議出席に伴う28〜31日のベトナム公式訪問の際に、首脳レベルでの確認を行うものとみられる。


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