事業仕分け 求められる説明責任 「1〜2割の縮減を」

政府の行政刷新会議は10月27日から30日までの4日間、東京・東池袋のサンシャインシティ文化会館で、事業仕分け第3弾(前半日程)として、特別会計に焦点を当てて審議を行った。

原子力関連事業では、1日目に経産省所管の貿易再保険特別会計を審議し、同特会は廃止し、日本貿易保険(NEXI)に組織統合すべきとの判定を下した。ただ、国家として必要な保証をつけるなど、国が関与できる仕組みは確保すべきとした。

3日目の29日には、07年度に石油特会と電源特会とが統合された「エネルギー対策特別会計」が取り上げられた。同特会は、石油石炭税と電源開発促進税がまず一般会計に繰り入れられ、そこから「エネルギー需給勘定」と「電源開発促進勘定」に分けられて計上されるもの。電源開発促進勘定はさらに「電源立地対策費」と「電源利用対策費」に分けられる。

今回事業仕分けの対象になったのは、電源立地対策費のうち文部科学省所管の(1)原子力機構の研究施設対象の地域対策交付金(2)原子力・エネルギー教育支援事業交付金(3)環境放射能水準調査等委託費(4)防災訓練実施調査。評価結果は、政策目的に真に合致したものに限定するということで、まとめて「1割〜2割を目途に全体として予算の圧縮を図る」との評決。経産省所管の電源立地地域対策交付金も同様に、目的に沿った縮減を図るべきとした。

電源利用対策費では、(1)廃止措置・放射性廃棄物研究開発(2)高速増殖炉サイクル実用化研究開発――が俎上に載せられた。評定では、「10%を目途に予算要求の圧縮」となった。電源利用対策費全般における財務当局も含めたガバナンスの強化も求めた。電力料金に上乗せされている電源開発促進税が財源に使われていることから、「電気事業者の真のニーズに合致するような研究、その意味では実証・商業炉につながる技術になるような予算の効果的配分を行ってほしい」と付け加えた。

ワーキンググループAの取りまとめ役を務めた玉木雄一郎・衆議院議員(民主党)も、「(予算を)削っていいか悪いかも分からないが、具体的な実用化に向けた開発スケジュールを明確にしてほしい」と付け加えた。

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事業仕分けを直接聞きに来た河野太郎・衆議院議員(自民党影の内閣行政刷新・公務員制度改革担当相)は、「数億円の話ではなく、この特会をどうするかからまず話をすべきだ」と語った。

河瀬一治・敦賀市長(全原協会長)も会場で、「質問する人も専門家でないので、話がかみ合わないような気がした。交付金は地元にとって重要な財源。削られるようなことになれば、(国との)信頼関係が崩れるのではないか。そのようなことにならないように、全原協として取り組んでいく」と強調した。


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