ドイツ議会 原発の運転延長法案を可決

ドイツの連邦議会(下院)は10月28日の審議で、国内原子炉17基の運転期間の平均12年間延長を盛り込んだ法案を308対289で可決・承認した。

同国では通常、国民が直接選挙で選出した下院議員が法案審議し、国内16州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)の権限は州に関連する法案審議に限定。A.メルケル首相率いる中道右派政権は、野党が多数派である上院で同法案の審議を行わない方針だが、社会民主党(SPD)など野党はこの判断を違憲として憲法裁判所に提訴する考えだ。来年1月からの施行を目指していた同法案の成立までには、議論が長期化することも予想されている。

今回承認された法案は、9月末に閣議決定した「2050年までのエネルギー計画」、および原子力事業者に対して「核燃料税」と「エネルギー・気候変動基金」への払い込み義務を盛り込んだもの。脱原子力政策の維持を改めて強調しつつ、2050年までに再生可能エネルギーで総発電電力量の8割を賄うという再生可能エネ時代を無事に迎えるには、それまでの「橋渡し」用ベースロード電源としての原子力、そして核燃料税と気候変動基金を財源とする再生可能エネルギー開発が欠かせないと指摘している。


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