日台セミナー 人的ネットワーク強化 日本のノウハウに期待

台湾の台北などで1日から3日まで、日台原子力安全セミナー(=写真)が開かれた。

1986年以来毎年、日本(原産協会)と台湾(原子能委員会、台湾電力公司、核能研究所、放射性物質管理局、中華核能学会)の共催で開催している同セミナーも、今回で第25回目を迎え、双方はともに今後の人的ネットワークのさらなる強化を誓った。

開会式でホスト側として挨拶した中華核能学会の蔡春鴻理事長は、日台セミナーは技術情報の交流に大きく寄与しており、セミナー期間中だけでなくその後も様々な機会にディスカッションをする環境が整えられるようになった、と同セミナーの意義を強調。台湾で長期にわたって建設中の龍門原子力発電所(ABWR×2基)の建設が順調に進んでいないことから、ABWRの建設・運転に素晴らしい実績を持つ日本のノウハウを吸収したいと期待を寄せた。

今回も日本側は、電力、メーカー、ゼネコン、大学など幅広い分野の専門家が集い、20名の原産協会代表団を組織して参加した。

団長を務めた服部拓也原産協会理事長は開会式で、日台双方がともにエネルギー資源に乏しいこと、経済・社会・文化など多くの面で価値観を共有していることなどを指摘。セミナーの場だけでなくさまざまな場で交流を深めていきたいと意欲を示した。同日のセミナーでは、プラントの寿命延長や出力向上、放射性廃棄物や被ばく線量等について討議した。

2日はセミナー会場を龍門原子力発電所へ移し、ABWRの建設に焦点をあてたセッションを開催、3日は清華大学で人材育成問題について討議した。


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