原子力人材育成ネットワーク 産学官一丸の体制目指す 機関横断的活動を推進 人材育成の「日本ブランド」を 原産協会/原子力機構 共同事務局として機能

産学官一体となった原子力人材育成体制の構築を目指す「原子力人材育成ネットワーク」の設立会合が19日、東京・千代田区のKKRホテルで開かれた(=写真)。これまでの個々の関連機関や個別の連携による取組を、機関横断的活動を通じて、より効率的かつ効果的に推進させ、原子力に係わる社会的基盤の拡大整備、学生等の原子力志向の促進、原子力界を支える人材の確保を図るもの。

原子力人材育成を巡っては、原産協会の「原子力人材育成関係者協議会」が今年4月、これを戦略的に進めるための中核的恒常機関、いわゆるハブ機能の設立など、計10項目の提言を示しており、今回設立したネットワークは、このハブ機能に係わる活動と合わせ、提言の中から、緊急性かつ実現性の高いものについて実施すべく、関係府省呼びかけのもと、誕生することとなった。

設立会合に伴い行なわれた同ネットワークの初回運営委員会(委員長=服部拓也・原産協会理事長)では、当面の活動方針を確認、具体的には、初等・中等教育段階、高等教育段階、人材国際化、新規導入国対象海外人材育成、実務段階のそれぞれについて、分科会を設置し、活動開始に当たっての各機関連携、情報共有を進める。海外人材育成については、「国際原子力協力協議会」(経済産業省)が分科会の機能を担う。ネットワーク活動は、原産協会と日本原子力研究開発機構が当面、共同事務局として実施する。

本ネットワークでは既に、ホームページ(http://nutec.jaea.go.jp/network/)を開設し、周知に努めており、HPにリストアップされた参加予定機関は、学校、電気事業者、メーカー、研究機関・学会、原子力団体、行政庁で、計57機関となっている。

ネットワーク運営委員長を務める服部・原産協会理事長は、設立に際し、「世界標準となる原子力人材育成体系を整備し、日本ブランドとして見えるようにしていくことが重要」とし、多くの関係機関の参加を期待するコメントを発表した。


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