日米協定の経緯と今後の問題点 国問研が報告書

日本国際問題研究所は報告書「日米原子力協定(1988年)の成立経緯と今後の問題点」(筆者=遠藤哲也・元外務省科学技術審議官)を取りまとめ、3日、ホームページに全文掲載した。

同協定の交渉を始めた背景から説き起こし、インドの核実験、カーター米大統領の核不拡散政策、日米再処理交渉へと緊迫した外交交渉の歴史を振り返り、その後の、日米原子力交渉の経緯と緊迫した交渉過程、協定正式署名から発効までの悪戦苦闘の様相などを生き生きと追っている。

実際に交渉に長く携わってきた筆者も、「協定のゆくえに絶望的になったこともあった」と正直に振り返るほど、厳しい交渉の結果、今日の日米原子力協力が成り立っていることを訴えている。

筆者は、交渉を振り返って、今後の課題などを指摘しているが、「日本は、非核兵器国の中でフル・スケールの核燃料サイクルを認められている唯一の国であるが、この立場を既得権視して、この上にあぐらをかいているべきではない」と警鐘を鳴らしている。


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