新大綱策定会議 基幹産業の視点も 燃料サイクル等論点に

原子力委員会は12月21日、第1回新大綱策定会議を東京・大手町サンケイプラザホールで開催した(=写真)。

議長の近藤駿介・原子力委員長は、委員それぞれの将来展望に立って、最も効果的で国民と共有できる施策の方向性について自由な議論をしてほしいと述べた。

会議の運営方法を確認した後、各出席者が議論すべきと考える点を発言した。五十嵐安治・日本電機工業会原子力政策委員会委員長/東芝執行役上席常務は、(1)エネルギーセキュリティー確保(2)設備利用率向上(3)使用済燃料再処理と中間貯蔵の着実な推進(4)インフラ・システム輸出の国レベルの対応(5)世界標準となりうる安全規制体系(6)将来を見据えた技術開発(7)放射線利用の推進――を、清水正孝・電気事業連合会会長/東京電力社長は、(1)原子力発電の着実な活用(2)原子燃料サイクルの確立(3)官民一体での国際展開(4)国民からのより一層の理解・信頼の獲得――を挙げた。

他に、「今現在も5万人の仲間が原子力に従事する連合では、8月のエネルギー政策に対する考え方の取りまとめで、原子力を重要なエネルギー源であり二酸化炭素の排出削減に有効な手段として位置づけた。大綱の基本からの見直しは不要だが、国民との相互理解をどう深めていくかは、大きな課題」(南雲弘行・日本労働組合総連合会事務局長)、「成長を意識し、日本の基幹産業として一翼を担っていく可能性を含めた原子力政策を提示したい。科学的・合理的根拠に基づく安全規制の整備、新増設・リプレースの投資インセンティブをそがない環境整備、一貫性をもった核燃料サイクルなどの議論に期待する」(又吉由香・モルガン・スタンレーMUFG証券ヴァイス プレジデント)――など、それぞれの見解に基づき、多彩な意見が出された。

第2回大綱策定会議は14日9時より、原子力のエネルギー利用についての議題を中心として、同会場で開催される。


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