仏アレバ社 ジョルジュ・ベスUにウラン搬入

仏アレバ社が2006年にトリカスタンで着工したジョルジュ・ベスU遠心分離濃縮工場(=写真)で、12月14日に最初のウラン原料コンテナーが搬入された。開業式には14か国から100名以上の顧客が出席し、総工費30億ユーロの大型建設プロジェクトが決定的な段階に達したことを見届けた。

同工場を構成する南北2つのユニットのうち、先行建設中の南ユニットでは昨年5月に最初の遠心分離カスケードが始動。今回、実質的に操業開始されることになった。09年初頭に遅れて着工した北ユニットでも、今年中に最初のカスケードを始動する予定で、南北両方のユニットが操業を開始すれば、16年にも2年前倒しでフル容量の年間7500トンSWUに到達する見通し。最終的にはさらに1ユニットを増設し、1万1000トンSWUの容量を目指す計画だ。

アレバ社は現在、世界のウラン濃縮市場で25%のシェアを占めているが、その他の部分を占めるウレンコ社や米国濃縮会社(USEC)、ロシアのアトムエネルゴプロム社(AEP)ではすべて、遠心分離技術を採用した工場を操業中か、あるいは新規建設中。アレバ社によれば、従来同社が活用してきたガス拡散法と比べて、遠心分離法では所要電力が50分の1で済む。このため同社は2003年、ウレンコ社との合弁で遠心分離器の製造会社(ETC)を設立し、06年には遠心分離技術の使用権をウレンコ社から取得した。

トリカスタン・サイトでは現在、子会社のユーロディフがガス拡散法のジョルジュ・ベスT工場を操業中。Uが部分毎に完成していくのに併せて、徐々に濃縮能力を差し替えていく方針である。


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