中国のパイロット・プラント 再処理ホット試験に成功

中国核工業集団公司(CNNC)傘下の中核404有限公司は3日、甘粛省蘭州で調整・試験中だった使用済み燃料再処理パイロット・プラント(=写真は制御室)で、実際の使用済み燃料を使ったホット試験に成功したと発表した。

原子力開発利用において核燃料サイクルの確立を目指す中国は、ゴビ砂漠南辺に位置する甘粛省で大規模な商用再処理施設の建設を計画しており、2007年に仏アレバ社にFS実施を依頼、昨年11月にはこの件を商業契約に進める最終段階の協力支援で合意。「中国は独自設計、独自建設、独自開発で技術的なブレークスルーを遂げ、仏国、英国、ロシア、日本、インドなどに続いて再処理技術を会得した」として自信を深めている。

中国では1960年代から軍事用の再処理施設が稼働しており、甘粛省酒泉のパイロット・プラントで抽出したプルトニウムは68年に水爆実験に利用。酒泉ではその後、軍事用再処理工場が70年から稼働している。

民生用原子力発電所の操業は90年代から始まったが、発電炉の使用済み燃料は被覆管が溶解しにくく、放射能やプルトニウム濃度が高いなど再処理工程が異なるため、1987年に当時の国家計画委員会が蘭州に別途、パイロット・プラントを建設する計画を承認。同プラントは設計能力440キログラム(重金属換算)/日のピューレックス方式と言われており、98年に本格着工した後、2000年には建屋が完成した。2004年から各種の試験を実施し、07年以降は試験調整段階に入っていた。

ホット試験は昨年3月に開始し、同試験の成功記念式典を12月21日に開催している。

中国中央放送のインタビューに答えた404公司幹部は、燃料サイクル確立によって発電炉でのウラン利用率は60倍になると強調。中国における既知ウラン資源の利用可能期間も現在の50〜70年から3000年以上に拡大すると明言した。


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