米ロ協定の発効とロシア

米ロ原子力協力協定の批准手続き完了を受けて、ロスアトム社のS.キリエンコ総裁は11日、原子力関連の昨年1年間の成果と今後の見通しについてD.メドベージェフ大統領に報告した。

両氏ともに、同協定の批准手続きが進展したことは、国際ウラン濃縮センターの設立とともに昨年中で最も重要な成果と評価。キリエンコ総裁によると、米国は重要な原子力市場の1つであるため、これまで仲介が必要だった対米原子力貿易が直接可能になるなど、新たな輸出機会が広がったという経済的観点から同協定発効の意義は非常に大きい。

ロスアトム社が抱える原子力関係の受注案件について同総裁は、金額にして200億ドルを超える契約があると明言。今年はこれを50%拡大して300億ドルに増やす計画だとし、ロシア国内だけですでに28基の建設計画が承認済みであり、経済危機により建設時期が先送りされても、キャンセルになった計画はないと説明した。

同総裁はまた、国外で潜在的に受注可能な件数は30基に及び、着実に増加すると強調。インド、ベトナムおよびトルコは特に重要なパートナーだと述べた。中でもトルコとの契約方式は、ロスアトム社が原子炉の所有者として60〜70年の操業・燃料供給期間を含め、100年間にわたって外国の領地内に留まるというユニークなものだと指摘。いくつかの新規導入計画国がこの方式に関心を示しており、トルコに続くことになるとの見通しを示した。


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