残土レンガの加工完了 人形峠 敷設広場を観光振興に

日本原子力研究開発機構のウラン探査活動により発生した残土のレンガ加工がこのほどすべて完了した。同機構が、政府、鳥取県、同県三朝町との協定に基づき、08年から加工場で行っていたもので、昨年12月の終了時までに約145万個のレンガが製造された。ラジウム温泉地として知られる三朝町では昨秋、この「人形峠製レンガ」を敷設した広場を開設しており、ラジウム発見者のキュリー夫妻にちなみ、「三朝キュリー公園」と名付け、掘削土再利用の理解促進の他、観光振興にも一役買っている。

原子力機構が旧原子燃料公社の時代に、鳥取・岡山県境野人形峠で行っていたウラン探査活動で発生した残土の撤去を巡り、同協定では、これを原料としてレンガを製造し、11年6月までに鳥取県外に搬出、製品搬出完了後の1年以内に製造施設を解体撤去することが求められている。同機構では、レンガ加工場を建設して、08年4月より製造を開始したほか、専門の検査機関において、物性確認、環境影響評価も行った。例えば、このレンガを敷設した20m×500mの広場の中央に1日平均約5時間いても、年間被ばく線量は0.22mSvで、一般公衆被ばく限度の1mSvに比して十分低くなっている。

「人形峠製レンガ」は昨年末時点、原子力機構の事業所を含め、約120万個が搬出されているものの、まだ約27万個が搬出・再利用を待っている状況だ。レンガ頒布については、同機構ホームページの「お知らせ」欄で照会中。


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