ベラルーシの原子力発電導入計画 露の協力で9月に掘削へ

ロシアの総合原子力企業のロスアトム社は1月25日、ベラルーシ初の原子力発電所建設、およびそれと並行して実施する電力網の整備作業の2件について両国が二国間協力協定を結ぶことで同公社のS.キリエンコ総裁とベラルーシのM.ミャスニコビッチ首相が合意したと発表した。ロシア側の国内手続きが整えば、2月下旬から3月初旬の間にベラルーシの首都ミンスクで開かれる「ベラルーシ・ロシア連邦国家」の次回会合で調印する見通し。今年9月までに建設契約を締結し、サイトの掘削にかかりたいとしている。

ベラルーシはすでに2009年1月、ロシアのアトムストロイエクスポルト(ASE)社を主契約者に選択。第1立地候補地である同国北西部のグロドノ地区オストロベツ村に、AES―2006シリーズ(120万kW級のロシア型PWR)の原子炉2基をターン・キー契約で建設するとしている。

建設費は関係インフラ経費を除いたプラント分だけで60億〜70億ドルと試算しており、1、2号機の運開はそれぞれ、2016年と18年に予定。09年末にはベラルーシ側の国内手続きは完了していたが、原子炉建設に関する二国間協定を電力網の整備作業に関する協定とタイアップさせたいとするロシア側の意向を受けて、その作業を待っていたもの。

今回の発表直前には、ロスアトム社とベラルーシ・エネルギー省の作業グループが建設サイトに関する協議を実施。建設契約の準備作業日程に関する文書と建設コストの計算方法に関する文書を準備しており、当日の会合でキリエンコ総裁とベラルーシのV.セマシコ第一副首相がこれらへの署名も済ませた。

同総裁によると、同計画の関係者達は政府間の協定調印を待たずに、2月中にも同計画の発注規模やベラルーシの企業に発注する設備や資材、機器等について協議する。また、サンクトペテルブルクを本拠地とする総合エンジニアリング会社のアトムエネルゴプロエクト(AEP)社が、5月中を目処に建設サイトでの技術調査の作業項目を検討。契約のための合意事項をまとめるとともに、6月には両国財務省間の与信契約書を準備し、ロシアからの融資契約調印に持ち込む計画だ。


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