東海村 原子力楽しく学べる旅 産業観光として展開

茨城県東海村は、「知的好奇心が満たされる原子の世界の体験観光『アトムツーリズム』」として、東海村の原子力施設などを体験できる産業観光をPRしている。このたび施設見学の案内や予約を受け付ける「アトムツーリズムインフォメーションセンター(電話029‐225‐5264)」を設立し、1月28日、プレス関係者対象のモニターツアーが実施された。

最初に、核燃料サイクルを楽しく学ぶことができる「アトムワールド」を見学。サイクル館では、パネルや模型を使って使用済み燃料を再処理してウランとプルトニウムを回収して繰り返し利用する流れを学ぶことができ、ファミリー館では、クイズに答えたり身体を動かしたりする科学体験ゾーンや東海村の名所を自由にズームアップできる航空写真などで、楽しく知識を身につけることができる。

昼食には、同ツーリズム向けに企画された3種の弁当と、東海村名物のイモを使った「東海いも好いとん」が用意された。ごはん部分に原子燃料のもとであるペレットを模した「エネルギー満タンアトム弁当」、原子核をイメージした卵入りコロッケがメインの「アトミックコロッケ弁当」など、ユニークなアイディアでおいしい地元の食材を詰めてある。

続いて、3台の大型陽子加速器を使って世界最先端の研究が行われている「J‐PARC」を見学。電磁石の列が地球の丸みまで加味して1mm以内の誤差精度で並べられていることや、光と同じ速さでニュートリノが岐阜県のスーパーカミオカンデまで送られていることなど、ガイドのユーモアあふれる解説で未来の科学技術への夢を広げてくれる。

最後に原子発電所で使用される燃料を製造している「原子燃料工業」を見学。機械化された生産ラインと熟練職人による正確なチェックで、確かな品質の燃料が製造されている現場に立ち会うことができる。

同ツーリズムの確立にあたり、J‐PARCセンター、日本原子力開発機構、日本原子力発電、東京電力、茨城原子力協議会、三菱原子燃料、原子燃料工業、東海村商工会、東海村観光協会――などの協力会員が昨年までに7回の連絡調整会議を開催したほか、今月には旅行会社の教育旅行担当社員向けにモニターツアーを行い、各担当エリアでの教育機関に営業展開していく。

3月19日には北関東自動車も全線開通し、ますます便利になる東海村。原子力産業観光の地として、全国からの児童・生徒の来訪に期待が高まっている。


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