厚労省 輸入照射食品チェック ACB法で肉類など検知開始

厚生労働省は07年7月に輸入香辛料が放射線照射されているかどうかを調べる公定検知法(熱ルミネッセンス(TL)法)を初めて指定したのに続き、10年3月には牛肉、豚肉、鶏肉、鮭、カマンベールチーズなど「脂肪を抽出可能な食品」を対象とした「アルキルシクロブタノン(ACB)法」を指定し、各検疫所に運用を通達した。約10か月たったいままでのところ、検疫でのモニタリングに違反は見つかっていない。

また、昨年の3月にはTL法での対象検出品目に、「ケイ酸塩鉱物が分離可能な食品」として従来の香辛料のほかに、野菜類、果実類、茶などの農産物と、アサリ、エビ、シャコの水産物を追加していた。

食品に放射線を照射すると微量のアルキルシクロブタノン(ACB)という物質が検出されることが知られており、内閣府の食品安全委員会では09年度から、公募型研究課題として3年計画で、同物質についての健康影響に関する科学的知見を収集するための研究を実施している。

日本では照射食品としてジャガイモの芽止めのみが、世界に先駆けて食品衛生法で許可されたものの、その後の許可品目はなく、種類・量ともに世界的な照射食品の普及からは取り残されている状況。ジャガイモ以外の照射食品が、外国から日本の港などで輸入されようとした場合、その場での処分か、輸出元に送り返す措置が求められる。


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