仏アレバ社 ATMEA1で 加の事前設計審査申請

仏アレバ社は2月24日、三菱重工業との合弁企業であるアトメア社が開発した「ATMEA1」について、カナダ原子力安全委員会(CNSC)によるプロジェクト前設計審査を15日に申請したと発表した。

カナダ・ニューブランズウィック(NB)州が計画しているクリーン・エネルギー・パーク構想にATMEA1を提供するべく、重要なステップを踏み出したもの。

アレバ社によると、ATMEA1は出力110万kWの中型PWR設計で、欧州加圧水型炉(EPR)と三菱重工製PWRの技術をベースに設計された第3世代プラス原子炉。保守システムがシンプル、燃料消費量が少ないなどの特長により運転コスト削減が図れるほか、MOX燃料の使用や24か月までのサイクル運転も可能だという。

NB州は再生可能エネルギーや原子力で「クリーン・エネルギー・パーク」を建設する構想を進めており、州内のポイントルプロー原子力発電所近郊に新たな原子炉を建設することは、同構想実現への重要な要素。このため同州は昨年7月、建設の実行可能性調査に関する発注内示書(LOI)をアレバ社および同発電所を所有するNBパワー社との間で調印していた。

プロジェクト前設計審査はメーカーの要請に応じて提供される評価審査サービスで、原子力安全管理法に基づく認可の発給や認可プロセスとは無関係。しかし、カナダの原子力規制要項に対する準拠性が評価されるとともに、認可発給手続きの前段階で内在する根本的な障害が特定されることから、同国で新たな設計を提供する際の重要な手順となる。1月末には加原子力公社も、第3世代プラスの重水炉となるACR1000で、同審査を成功裏に終えている。

ATMEA1が同審査で承認されれば、カナダのその他の州でも採用の可能性が出てくるとアレバ社では期待している。


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