トルコ アックユで建設許可申請準備

ロシアの総合原子力企業であるロスアトム社は2月24日、傘下のエンジニアリング企業であるアトムエネルゴプロエクト(AEP)社の専門家が3月初頭にトルコ初の原子力発電所サイトとなるアックユに赴き、建設許可申請準備のための現地エンジニアリング・調査を実施する予定だと発表した。過去に4回頓挫したトルコの原子力発電所建設計画が、2018年の初号機完成を目指してようやく具体的な作業に入る。

ロスアトム社によると、同調査の契約登録を正式なものとするための喫緊の作業はすでに実施済み。AEP社チームは今後、トルコの専門家と協力しつつ、すべてのエンジニアリング・調査を2012年7月15日までに終え、基本的な建設許可の申請に必要なプロジェクト資料作成の基礎とする考えだ。建設許可取得後は7年以内に初号機の営業運転を開始させたいとしている。

トルコとロシアは昨年5月、地中海に面したメルシン地方アックユで、120万kWのロシア型PWR(VVER)である「AES2006シリーズ」炉を合計4基建設することで合意。総工費の200億ドルはロシア側が負担し、原子炉運営のための共同事業会社をロシアの100%出資で設立する。同会社では建設費回収のため、トルコ国内の企業およびそれ以外の国からも出資者を募集し、ロシアの所有権を51%まで下げていく計画。また、トルコ電力卸売会社(TETAS)は発電所からの電力の70%購入を保証している。

なお、トルコのエネルギー天然資源省が2月18日に首都アンカラで開催した「トルコの原子力発電所建設に関するセミナー」では、同建設計画のための共同事業会社「アックユNGS発電」が2か月前に設立ずみであることが明らかにされた。


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