全原商 玄海町で研修会開催 先進的な地域振興学ぶ

全国の原子力発電所立地地域にある商工団体で構成する「全国原子力立地市町村商工団体協議会」(全原商、会長=有馬義一・敦賀商工会議所会頭)は4、5日、佐賀県玄海町で「地域振興研修会」を開催、商工関係者、国、電気事業者など約120名が参加し、交流を深めた。09年度に実施した地域振興戦略基本調査の結果、玄海町の取り組みが先進的であるとして、初めて同町での開催となったもの。

初日、有馬会長は冒頭挨拶で原子力政策大綱の改定審議に触れ、「原子力立地の最前線である立地市町村が報われる政策大綱であってほしい」と述べるとともに、玄海町の振興事例を参考に各地域の活性化が図られることを期待した(=写真)。

また、地元商工会を代表して、唐津上場商工会の古賀和裕会長が歓迎の挨拶に立ったのに続いて、来賓挨拶で、松下忠洋経済産業副大臣は、原子力立地をめぐり自らの地元の川内発電所立地の歴史を振り返り、先人による原子力発電所誘致の決断と努力を評価するとともに、地域振興に果たす原子力の役割について強調するなどした。

玄海町からは、岸本英雄町長が「玄海町の現在と未来―次世代のためのまちづくり―」と題して講演し、「町の人口が減少するなかで、発電所定期検査で訪れる人々が同町に宿泊し仕事を行える環境を整備する取り組みが重要」などと述べた。加えて、地元電力との関係では、「適切な情報提供が行われている」と評価しつつ、事業者との信頼関係が確立しなければ地域振興も進まないと指摘した。

また、町長は、09年12月から玄海発電所3号機でわが国初のプルサーマル運転が実施されたことに触れ、トップランナーとしての同発電所の貢献を強調するとともに、プルサーマル受け入れに伴う核燃料サイクル交付金を活用し、九州大学との共同研究事業として開始した薬草栽培研究や、新たな町の振興方策として次世代エネルギーパークの整備に取り組むことを紹介。さらに、立地地域に育つ優れた人の業績を地域ブランドとして対外的に発信することにも触れ、各地域から集まった参加者に対し、将来を担う地元人材の育成を図る必要性を訴えた。

協議会関係者らは翌5日、玄海原子力発電所、玄海エネルギーパーク、4月開園予定の玄海町薬用植物栽培研究所を訪問し、原子力と地域共生の実例を研修した。


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