2017年頃ロシア炉完成 バングラデシュの原子力導入計画

ロシアの総合原子力企業であるロスアトム社は2月24日、2017年〜18年の完成を目指してバングラデシュに第3世代の100万kW級・ロシア型PWR(VVER)を2基建設することで両国政府が事前合意に達したと発表した。

ロシアはすでに2009年に同国での原子炉建設協力を提案し、両国はその枠組みとなる原子力協定締結に向けた覚書に調印。昨年5月には原子炉建設支援を盛り込んだ原子力平和利用に関する二国間協力協定を締結していた。

今回の調印式はバングラデシュの首都ダッカでロスアトム社のN.スパスキー副総裁とバングラデシュのA.ホウラダー科学情報通信技術第一副大臣が行った。主契約者はロスアトム社傘下のアトムストロイエクスポルト(ASE)社で、4月にも最終合意文書に調印する予定だとしている。

建設サイトはダッカの北西160km、ガンジス川沿岸のルプールで、東西パキスタン時代の1960年代に原子力発電所プロジェクト(RNPP)が立ち上がった地点。しかし、独立戦争や資金調達の失敗等により、同プロジェクトを含め、同国で何度か浮上した建設計画はことごとく頓挫している。2003年に同国の原子力委員会は国際原子力機関の勧告により、RNPPのサイト安全性報告書を改訂し、入札書類の準備に着手。建設費をBOO(建設・運転・所有)/BOT(建設・運転・移転)方式で手当し、2010年の着工、15年に運開という計画を立てていた。

今回の合意により、ロシア側は原子炉の設計、建設、安全運転に必要なインフラ整備のみならず、規制や法的な枠組みの整備、人材育成も支援。原子炉が完成すれば燃料の供給、使用済み燃料の回収、放射性廃棄物の管理や廃止措置の支援も行うと伝えられている。

これらに関する総工費見積額については何も公表されていない。


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