GEH、新型炉の理解促進で ポーランド原研と協力

GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)社は1日、ポーランド国会のエネルギー共同委員会で講演するとともに、同国で唯一の研究炉を操業するポーランド原子力研究所(IAE−POLATOM)との協力で了解覚書(MOU)を結んだ。

ポーランドでは現在、同国初となる原子力発電所の採用設計選定作業中であることから、ポーランドの原子力関係者に同社製の新型BWR設計に関する理解を深めてもらうのが目的。国会の共同委は政府の原子力発電所建設計画における準備状況審査を担当しているため、GEH社は同社が提案している135万kWのABWRおよび152万kWのESBWR(高経済性・単純化沸騰水型炉)、および同社が提供できる支援について説明したとしている。

一方、ポーランド原研は原子力関係の諸問題について政府に助言する立場にあり、原子力発電施設による周辺住民と環境への影響調査の一環として同国で唯一の研究炉(=写真)を操業、医療用アイソトープを生産している。GEH社では商業用BWRの設計と運転について、MOUを通じて同原研の理解を促す考えだと伝えられている。

GEH社はこのほか、今年に入り、同国の首都ワルシャワと地方都市のグダンスクで二度の原子力供給者会議を開催した。同国におけるGEH社製原子炉建設に備え、サイト特有のエンジニアリングと設計に関する要求項目で支援が得られるよう、地元の大手建設企業やエンジニアリング企業との提携可能性を模索している。

機器製造とモジュール建設の供給チェーン確保関係では、すでに地元の大手ボイラー機器メーカーや大型造船所と覚書を交わしたほか、ポーランドの複数の工科大学とも、原子力関係の人材育成に有効なソフトウェアや研修制度の提供を通じて連携を強めている。


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