イラン ブシェール炉の運開さらに遅れ

イランのブシェール原子力発電所建設に協力しているロシアのロスアトム社は2月28日、炉心冷却ポンプの内部損傷により、昨年10月から12月にかけて装荷した燃料を一旦取り外す必要性が生じたと発表した。これにより、4月上旬に予定されていた同炉での発電運転開始は3週間ほど遅延することになると見られている。

ロスアトム社によると、4台中1台の冷却ポンプで圧力に起因する高振動により接続ポイントが摩耗、3mm以下の微細な金属片が炉内構造物を通り抜け燃料集合体に入り込んだと推定される。このため、燃料集合体を取り外して圧力容器内を洗浄、その後、燃料を再装荷することになったもの。

冷却ポンプは1970年代に搬入された古い機器の一部だが、ロシア側は新たな契約に基づき、それらの組み込みを余儀なくされたとしている。

一方、欧米のメディアは、同発電所のコンピュータ・システムが昨年夏に敵対国からのウィルス攻撃を受け、起動日程に遅れが生じたと報じられていた点に言及。「スタクスネット」という新手のウィスル攻撃により、チェルノブイリ級の事故が引き起こされる危険性を、ロシア側から指摘されたのではないかと推測している。


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