米規制委 US―APWR計画で COL審査の完了が遅延

米原子力規制委員会(NRC)は2日付けでルミナント社とドミニオン社に書簡を送り、両社が建設を計画している三菱重工業(MHI)製US―APWRの建設・運転一括認可(COL)について審査日程の改訂を伝えた。先行するルミナント社の計画では完了時期が18か月延びる見込み。並行実施中の同設計の認証(DC)審査が遅れる見通しとなったのが原因だが、後発のドミニオン社計画ではさほど大きな影響はないと見られている。

ルミナント社は2008年9月、コマンチェピーク原子力発電所3、4号機として、出力170万kW級の第3世代プラス型炉となるUS―APWRの建設を想定したCOLをNRCに申請。11年末までにCOLの主要な審査を終える予定だったが、今年2月18日にMHI社は「DC審査で残されていた技術課題の早期解決のため、新たな戦略を実施する」旨、NRCに伝え、審査日程の改訂を要請した。

このため、COL審査における環境影響声明書(EIS)発行は予定通り今年5月となるものの、DC審査の影響を受ける安全評価報告書(SER)最終版に関してはDC審査日程の変更に伴い、当初予定の今年12月から13年6月に先送りされることになった。

コマンチェピーク計画のCOL審査はUS―APWRの採用計画としては最初の例(参考COL)であるため、大幅な日程変更は免れないが、ドミニオン社のノースアナ3号機計画でUS―APWRの採用が決まったのは昨年5月のこと。同一設計で2例目以降のCOL審査では重複審査が省略される。予定していた13年前半のCOL取得は難しいが、審査日程改訂後のSER発行予定日は同年7月となっている。


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