各電力の対応 当面の地震・津波対策 訓練や電源車配備など強化

北海道電力は18日、発電設備容量0.32万kWの移動発電機車1台を泊発電所に配備したほか、地震発生直後の臨時巡視とともに、安全上重要な機器の定期試験および巡視点検で異常のないことを確認している。

女川原子力発電所1〜3号全機が地震発生時に自動停止した東北電力は、発電所構内に電源車を常時配備しており、海水汲み上げポンプの駆動用モーター予備品を確保した。また、使用済燃料プールへ消防車が注水を行うためのルートや配管等が建屋の壁を貫通している箇所の密封性などを確認し、緊急時対応のための非常用ディーゼル発電機や非常用炉心冷却系等を点検した。

福島第一原子力発電所の事故対応に全力を注ぐ東京電力は、新潟県・柏崎市・刈羽村より、柏崎刈羽原子力発電所の安全対策等の抜本的な見直しおよび万全の対応を求める要請文書を受領したことを受け、速やかに検討を進める。

北陸電力は、非常用電源車5台が配備済みであり、原子炉補機冷却海水汲み上げポンプ用の予備電動機の確保や海水熱交換器建屋の浸水対策の強化などの対策で信頼性向上を図る。

中部電力は、裕度向上のための防波堤・防水壁設置、防水構造扉の健全性を確認するほか、緊急事態に備えた発電機車・可搬型発電機・予備蓄電池の確保、津波の影響を受けない高台への予備品倉庫設置などの津波対策を進める。

関西電力は、可搬式空冷式非常用ディーゼル発電機設置、海水ポンプ津波対策強化などの検討に入るほか、既存の3台に加え新たに19台の電源車を若狭地域に配備し、シビアアクシデントに備えた体制強化を図る。

中国電力は、原子炉補機海水系ポンプ用予備電動機や非常用ディーゼル発電機の燃料補給手段確保、高圧発電機車の配備、建物内への浸水防止対策などに万全を講じる。

四国電力は、電源車3台の配備、海水ポンプモーターの予備品手配、非常用ディーゼル発電機など関連機器の緊急機能を確認したほか、全ての電源喪失を想定した運転員の特別訓練を行った。

九州電力は、電源車を配備し、非常用発電機を含む発電所の各設備に異常がないことを確認し、発電所すべての交流電源が喪失した場合を想定した対応訓練を実施した。

日本原子力発電は、防護壁など海水ポンプの津波対策のほか、中央制御室における監視機能確保のための仮設電源を配備するなど、安全性向上対策を行っていく。

建設中の大間原子力発電所に被害のなかった電源開発は、地震発生直後より非常災害対策本部を設置して対応している。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで