保安院 公開の場で報告 事態発生後初

原子力安全委員会は、4日の定例会議で、先月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所への影響について、原子力安全・保安院より報告を受けた。国が大地震による発電所の被災状況を一般公開の場で説明するのは、震災後、初めてのこと。

保安院は、大地震に伴い、福島第一発電所で発生した原子力災害の事態の進展、収束に向けた対応状況を中心に説明するとともに、これらを踏まえ、他の原子力発電所に対し指示した緊急安全対策を述べるなどした。安全委員会では、今後も事態の進展状況に応じ適宜、同院より報告を求めることとしている。

会議終了後、班目春樹委員長は、記者団の質問に応じ、「現時点で最優先させることは、事態を収束させること」とした上で、異常発生時の基本姿勢「止める、冷やす、閉じ込める」のもとに、原子炉を安定させることを強調した。また、この時点で保安院より、報告を受けた意味については、状況を楽観視せず、「注意を喚起」とするとともに、規制当局ともコミュニケーションを十分に図っていく方向性を示した。さらに、大地震により所期性能が不十分となった「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI)の運用については、「あくまでシミュレーション」と説明した。

なお対応強化に向け、原子力安全委員会事務局に、JCO臨界事故対応を行った広瀬研吉・内閣府参与と、中越沖地震の被災で地元説明に当たった加藤重治・文部科学省官房審議官が加わった。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで