当面、大綱策定は中断 原子力委「深刻に受け止め」

東日本大震災後初となる原子力委員会定例会が5日、開催され、東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力福島第一、第二原子力発電所事故と当面の対応についての見解を決定した。見解は、震災犠牲者への冥福と被災者への見舞いの言葉で始まり、同委員会が、今回の事故を国内外の原子力の安全確保の取組に対する信頼を根本的に揺るがすものとして、極めて重く深刻に受け止めていることを述べている。

また福島第一原子力発電所が未だ予断を許さない状況だとし、国が今緊急になすべきこととして、国内外の英知を結集して事故の収束に向けて全力を尽くすこと、周辺住民へ避難と放射線安全の取り組みのお願いとともに避難者の生活支援を確実に行うこと、国内外へ迅速かつ正確でわかりやすい情報を提供すること、原子力発電所に対する緊急安全対策を確実に実施して地元自治体や地域住民へその内容を充分に説明すること――を重要課題として挙げている。

今回の事態を受け、昨年から進めてきた新しい原子力政策大綱の策定に向けた検討を、当面の間中断することとした。


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