ロシア 福島の「レベル7評定は過剰」

ロシアの総合原子力企業であるロスアトム社は12日、日本の原子力安全・保安院が福島第一原発事故の評価を国際原子力事象尺度(INES)で最も深刻なレベル7に引き上げたことに対し、「過剰」との見解を明らかにした。

同社のS.ノビコフ報道官(=写真)が述べたもので、「事故発生直後の評価がレベル5と危険度の認識が過小だったのに対し、今度は高すぎる」と断言。同報道官個人の印象として、これ以上の批判を避けんがために政府が下した政治的な判断かもしれないとした上で、「炉心の破損状況からしてレベル5を超えることはなく、最大でも6が順当」との判断を示した。

同報道官によると、7というのは住民の健康に深刻な被害が及ぶような事故のレベルであり、今回のケースは復旧作業員の被曝線量が許容線量限度に達しておらず、ましてや健康にも被害はないと強調した。

この点についてはロシア科学アカデミー・原子力安全研究所のR.アルチュニャン第一副所長も同意見。「住民は自然放射線量の10分の1レベルを浴びたのであり、住民被曝という側面で見れば福島事故はレベル4にさえ達していない」と明言した。

同副所長によると、レベル4を主張するには少なくとも1人の犠牲者も出ないか、将来予測においてもないということになるが、同事故は確かに重大であり、今後、専門家が詳しく調査しなければならないだろうと指摘。その一方で、住民が心配するには及ばず、恐怖の対象となるようなものはいかなる状況においても起こり得ないとの見方を示した。


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