【原子力ワンポイント】日本の放射線・放射能基準−−福島第一原発事故〈番外編(5)〉 内部被ばく 臓器ごとに特徴

福島第一発電所の事故で、大気中の放射線量は減ってきましたが、食物や土などを通して身体の内部が被ばくしてしまうことを防ぐことは大切です。

ゲンくん 被ばくには「外部被ばく」と「内部被ばく」の2つがあるんだよね。

カワさん 内部被ばくは、放射性物質を体内に取り込んでしまうことによって起こります。体内への経路としては、放射性物質を含む水や食物などを飲み込むことによる経口摂取、放射性物質が含まれる空気を吸い込むことによる吸入摂取、皮膚を通して取り込まれる経皮吸収があります。経皮吸収については傷口がある場合を除き、皮膚はトリチウム(三重水素)以外のほとんどの放射性物質に対して侵入を防ぐことができるので問題となりません。水や水蒸気状のトリチウムでは皮膚を通して体内に吸収されてしまいます。

ゲンくん 体内に放射性物質が取り込まれたらどうなるんだろう。

カワさん 内部被ばくは、外部被ばくよりも汚染の除去が困難です。体内に取り込まれた放射性物質は血液やリンパ液とともに体内を移動します。臓器や組織はそれぞれ特定の種類の放射性物質を沈着させやすい性質を持っており、血液やリンパ液中の放射性物質は各々特定の臓器や組織に集まります。よく知られている例としては、ヨウ素は甲状腺に、ストロンチウムは骨に集まります。一方、トリチウム、カリウム、セシウムなどは身体全体に分布して、全身が放射線の照射を受けることになります。

体内に取り込まれた放射性物質は、その物質自体が原子核崩壊して減っていくほか、排泄などで体外に排出され、減っていきます。原子核崩壊によって半分に減る時間を半減期(物理学的半減期)、生物学的な排出によって半分に減る時間を生物学的半減期と言います。両者を合わせた時間を実効半減期と言い、放射線量は一定の時間ごとに半分に減っていきます。

ゲンくん 身体の中に放射性物質が入ってしまっても、ずっと残っているわけではないんだね。 (原産協会・情報・コミュニケーション部


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