米国 エクセロン社がCE社を買収

米国最大の原子力発電事業会社であるエクセロン社がこのほど、コンステレーション・エナジー(CE)社を買収し、時価総額340億ドル、企業価値にして520億ドルという大型エネルギー企業が誕生した。

近年、同国で浮上している原子力発電所の新設計画は建設費の調達がネックとなって停滞気味だが、合併による資金力と市場競争力の増大で、今後クリーン・エネルギー事業への投資を一層活性化させる考えだ。

新会社名は存続会社であるエクセロン社となり、本拠地もこれまで通りシカゴに置くが、マーケティングや再生可能エネルギー事業、CE社による電力の卸売り・小売り事業は、CE社の本拠地・ボルチモアに統合、同地が事業拠点となる。

保有する発電設備は3400万kWとなり、このうち55%の1900万kWが原子力。全体の8%を占める水力および再生可能エネルギーの発電設備と合わせれば、新会社のクリーン・エネルギー率は全米でも第1位になるとしている。

合併手続きは株式交換方式で、CE社の株主には同社の普通株1株につき、エクセロン社株式0.93株が交付される。また、合併完了後は旧エクセロン社の株主が新会社株の約78%を、CE社株主は約22%を保有することになる。

新会社の取締役会については、役員16名のうち12名を旧エクセロン社取締役会メンバーから任命。会長職には、CE社のM.シャタック会長兼社長が就任する一方、社長兼最高経営責任者としては旧エクセロン社のM.クレイン社長が就任。旧エクセロン社のJ.ロウ会長は引退が決まっている。

旧エクセロン社は昨年3月、政府の融資保証枠が限定的であることからビクトリア・カウンティ原子力発電所建設計画で申請していた建設・運転一括認可(COL)を取り下げ、事前サイト許可(ESP)を米原子力規制委員会に申請。

CE社はフランス電力(EDF)と共同でカルバートクリフス原子力発電所(=写真)3号機建設計画を進めていたが、融資保証を受ける際の信用助成金が高額過ぎるとして、昨年10月に同計画から撤退していた。


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