【わが国の原子力発電所運転速報】 4月の設備利用率50.9%に 震災影響、月末時点で30基が停止

原産協会の調べによると、4月の国内原子力発電所の稼働状況は、設備利用率50.9%、総発電電力量179億5900万kWh(対前年同期比23.6%減)で、東北地方太平洋沖地震の発生した3月の設備利用率58.3%からさらに下回り、震災影響を大きく受ける格好となった。近年では、中越沖地震による柏崎刈羽発電所全基含め計24基が停止した08年4月の49.1%に次ぐ低い水準だ。

3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴って通常運転を停止した10基は、引き続き停止しており、これらを含めて、4月末時点で、国内全54基中、実に30基のプラントが停止する状態となった。原子力災害に至った福島第一発電所では現在も、事態収束に向けた活動が進められている。

炉型別の設備利用率をみると、震災影響を被ったBWRでは29.3%と、極めて低い水準となった。一方、PWRは81.5%で、引き続き好調だ。

4月中に、定期検査に伴い運転を停止したプラントは、北海道電力泊1号機(22日)と、四国電力伊方3号機(29日)の2基だった。なお、泊2号機は12日、1991年の営業運転開始から20年を迎えている。

月替わり、5月7日には、日本原子力発電敦賀2号機が、燃料集合体の漏えい調査のため、停止となった。多くのプラントが戦列を外れる中、今般の中部電力浜岡発電所の停止も重なり、稼働状況低迷は当面、続きそうだ。

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訂正 4月7日付号4面「わが国の原子力発電所の運転実績」の表中、2010年度欄に、時間稼働率Aとして、「68.6%」(破線下)とあるのは、「66.5%」の誤りでした。お詫びの上、訂正致します。


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