政府が原子力被災者への取組方針 「最後まで国が責任もって対応」

政府・原子力災害対策本部は17日、「原子力被災者への対応に関する当面の取組方針」を取りまとめた。福島の原子力災害に伴う被災者・被災自治体への対応にかかる政府としての取組の全体像と、今後の見込みを整理したもの。

取組方針では冒頭、福島第一発電所1号機の営業運転開始から3月で丁度40年目に際し、原子力事故による被災者は、「長きにわたり国の原子力政策、電源政策の一番の理解者」であったところ、「国策による被害者」となったとして、「最後の最後まで国が前面に立ち責任を持って対応」することを明記している。

各論ではまず、東京電力が示した発電所の事態収束に向けたロードマップに基づく各取組について、国は支援・安全確認を行うとともに、国際協力、事故原因の調査・検証を進めていくこととしている。

各避難区域に関しては、応急仮設住宅の確保、要介護者・障害者への対応、中小企業者の損害賠償、農産物や家畜の取り扱い、指定解除までの支援体制・情報提供などについて、これまでの対応状況と、当面の取組を取りまとめた。

住民の安心・安全の確保では、避難生活の長期化に鑑み、地域コミュニティの維持への配慮を冒頭に掲げた上、医療・介護の確保、健康不安への対応、教育への支援などに対する諸施策をあげた。農地、海域、食品、水道水、教育施設における環境モニタリングも継続的に実施するほか、住民の健康管理に資する放射線量評価も、放射線医学総合研究所の協力を得て5月以降、開始する。

この他、雇用の確保、産業支援、地方公共団体への支援、損害賠償に関する取組をまとめた上、最後に、「ふるさとへの帰還に向けた取組」として、区域解除の考え方を整理し、生活・産業の基盤となる土壌等のモニタリング・スクリーニング・除染を関係機関が連携して、効果的・効率的に実施することとしたほか、中長期的課題として、国内外における風評被害対策、住民の長期的な健康管理、放射性物質を帯びたがれき等の最終的処理など、地域活力の再生に向けた検討項目を列挙している。


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