東電が正式決定 福島第一1〜4号機廃止 7、8号機も増設中止

東京電力は20日の取締役会で、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震で被災した福島第一原子力発電所の1〜4号機廃止および、同7、8号機増設計画の中止を決定した。

大地震により、1〜3号機は自動停止したものの、いずれの号機も冷却機能が不十分となり、原子炉圧力容器内の圧力上昇に伴い、内部の気体を外部に放出(ベントの実施)した。さらに、1、3号機については、炉心損傷等に伴い発生した水素によるものと思われる爆発が、2号機でも圧力抑制室付近での爆発音がそれぞれ発生、定期検査により停止していた4号機でも火災が繰り返し起きており、その後の事態収拾作業とも合わせて、1〜4号機には、内外とも設備に著しい損傷が生じていることから、同社として4基を廃止することとした。1号機(BWR、46万kW)は、1971年3月に営業運転を開始した東京電力初の原子炉である。

また、計画中の7、8号機については、今回の事故が社会に与えた影響を踏まえ、地域の理解を得ることは極めて困難との判断から、中止となった。両機は、いずれも138万kW、福島県内で初のABWRとして計画され、1991年の双葉町議会による誘致決議で具体化が始まり、96年に環境影響調査が終了、2000年に環境影響評価書を国に提出した。その後、中国電力上関1、2号(未着工)、日本原子力発電敦賀3、4号(未着工)とともに、01年度電源開発基本計画新規組み入れ予定地点に位置付けられた。10年度電力供給計画によると、いずれも12年4月の着工が見込まれていた。

なお、震災後、原子炉が冷温停止状態にある福島第一5、6号機と福島第二1〜4号機については、詳細な調査実施には至っていないが、東京電力では当面、原子炉の安全を維持するために必要な措置を講じることとしている。


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