IAEA 事故暫定報告を提出 「献身的最善のアプローチ」

国際原子力機関(IAEA)福島事故調査団は1日、日本政府に暫定報告を提出し、以下の概要を示した。

▽困難な状況下でサイト運転員の献身的で強い決意を持つ専門的対応は模範的で、非常事態を考慮すれば結果的に安全を確保する上で最善のアプローチとなった。

▽避難措置など日本政府の公衆保護のための長期的対応は見事で良く組織されている。被ばくに関する適切で時宜を得たフォローアップ計画及び健康モニタリングも有益。

▽原子炉復旧計画のロード・マップは重要。状況に応じ修正が必要となるが、国際的な支援も受けられる。避難した人々が通常の生活の再開することを可能とし、放射線の放出により影響を受けた敷地外の地域の救済をもたらす可能性がある、より一層広範な計画の一部とみなされるべきである。極限的な原子力の事象に対応する上で、何を成し遂げ得るのかを世界に示すことになる。

▽原子力発電所の設計者や運転者は、あらゆる自然ハザードの危険性を適切に評価して防護措置を講じ、新たな情報、経験や理解を踏まえた危険性評価と評価手法を定期的に更新すべき。

▽大洪水など共通性のある極限的な外部事象に対し、深層防護、物理的な分離、多様性、多重性が適用されるべき。

▽原子力規制の制度は、極限的な外的事象に対する定期的な見直しを含めて適切に対処でき、また、規制の独立性と役割の明確さがIAEA安全基準に沿ってあらゆる状況において維持されるようなものとすべき。

▽適切な通信手段、重要なプラント・パラメーター、コントロール及びリソースを十分に備えた敷地内の堅固な緊急対応センターは有用であり、すべての主要原子力施設に設けられるべき。シビア・アクシデントに対し重要な安全機能をタイミング良く回復させられるよう簡易で丈夫な設備が利用できるようにすべき。


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