東芝経営方針説明会 新規建設目標数年遅れる可能性

東芝は5月24日、経営方針説明会を開き、2013年度に売上高8兆5000億円、営業利益5千億円を目指す方針を発表した。

福島第一原子力発電所に関しては、まずは冷却システム構築、滞留水処理、放射性物質拡散防止など、中長期的には燃料取り出し、廃炉、廃棄物保管など、安定化・グリーンフィールド化に向けて計画的に取り組んでいくことが同社の使命であるとした。

また、既設の原子力発電所の緊急恒久的安全対策においても、緊急時の電源・冷却確保、地震・津波対策、安全基準見直しに対応したプラント改良など、最大限の協力を表明した。さらに、安全性の高い次世代原子炉を開発推進していくとした。

原子力発電の新規建設事業については、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で、2015年度の目標として掲げていた39基の受注と建設・燃料・サービス合計の売上高1兆円の目標について、安全基準の見直しなどの関係から数年シフトする可能性は否定できないとし、目標達成が遅れる見通しを示した。しかし世界的な電力需要が拡大していることに変わりはなく、4基のAP1000が計画通り進捗している中国、AP1000が先行工事中でABWR許認可対応を続けている米国、先行エンジニアリングが継続中であるフィンランドや英国などの欧州、引き続き新設が計画されているトルコやベトナムなどの新興国など、同社の海外顧客の動向を注視しながら建設・提案活動を行っていくとしている。

ヘルスケア部門は領域拡大を加速していくとし、診断領域では、同社比で被ばく線量を最大75%低減した高画質・低線量の160スライス・ヘリカルスキャンCTなど、治療領域では、高精度な位置決定ができる大口径CTや3月に納入した次世代重粒子線照射装置など、積極的に展開するとしている。


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