福島第一 作業員内部被曝も評価 被曝250ミリSv超

東京電力は3日、福島第一原子力発電所の事故対応で、同社社員2名が内部被ばく評価の結果、現在緊急作業時の被ばく線量限度とされている250ミリSvを超えたことを厚生労働省に報告した。作業員の250ミリSv超え報告は初めて。

同2名は、同発電所3、4号機用の中央制御室の運転員。5月30日に甲状腺のヨウ素131の体内放射能量が高いことが確認されたため、その後、放射線医学総合研究所で被ばく線量の評価作業を行っていたところ、内部被ばくが、30代男性が210〜580ミリSv、40代男性が200〜570ミリSvと評価された。これに外部被ばくの各約73ミリSv、89ミリSvを加えると、明らかに限度の250ミリSvを超えることがわかった。同2名は3月11日事故発生以降の同13日に、産業医の指示でヨウ素剤を各人2錠ずつ飲用している。東京電力では、当時、マスクや防護服の一部に不十分なところがあったものとみている。

2人と同様な作業を行った作業員が約150人おり、うち約40人が放射線量が高いのではないかとみている。同社では、同2名の被ばく線量の確定をはじめ、同発電所での作業員の被ばく線量の測定・評価を進める。

ただ、7日発表の政府事故調査報告書でも、内部被ばくの測定が遅れており、今後、250ミリSvを超えていたとする作業員が一定数でてくる可能性が高い、としている。


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