細野補佐官が福島事故で説明 米国との緊密協力を強調 知見、物資提供受ける

3日の政府・東京電力統合対策室の合同記者会見で、細野豪志・首相補佐官は、福島第一原子力発電所の事故直後からの日米の事故対応協力、国内の内部被ばく線量を測定するホールボディ・カウンタの台数について明らかにした。

細野氏は、米国からは事故発生直後から米国政府より支援の申し出があり、菅首相の指示を受けて、関係省庁と東京電力は米側関係者との意見交換を開始した、と説明。来日した米側関係者は、米国原子力規制委員会(NRC)、米国エネルギー省(DOE)などの政府機関や、軍、研究機関の専門家など多数にのぼる、とした。

また、3月22日以降は、日米両国の関係者が一堂に会する形で協議を進め、日本側からは福山官房副長官、細野補佐官のほか、関係省庁や東京電力の関係者などが参加し、現在も週1回開催している、とした。

米国からの緊急支援物資としては、緊急性があって日本国内では調達が難しい物資について日本側が要請し、消防車、防護服、バージ船、大型放水用ポンプ、放射線測定器などが提供され、実際の原子力事故対応で活用された。

具体的な例としては、淡水の給水を行うため、米国から提供を受けた淡水を積載したバージ船2隻を、海上自衛隊の多用途支援艦が曳航して同原発まで輸送した。防護服も約1万着が提供され、消防、警察などで利用した。

また、放射線モニタリング機能やカメラを特別装備した遠隔操作が可能な無人ロボットの提供も受けた。日本の原子力機構が開発した遮蔽機能付操作車と組み合わせて、建屋周辺の状況確認などに活用するため、DOEアイダホ国立研究所の専門家による運転訓練も行われた。

技術・知見の提供では、米国の専門家との間で、会合を実施し、最新のプラント状況の共有、原子炉や使用済み燃料プールの安定化、放射性物質の拡散防止、放射能汚染水の対応などについて意見交換を重ね、事故対応に生かすことができたとしている。この技術実務者会合は事故当初は連日議論を重ね、現在も月・水・金曜日に会合をもっている。

具体的な協力としては、広域の放射性物質による影響把握などのために、DOEと共同で航空機モニタリングを実施し、線量測定マップ、土壌濃度マップを作成した。また、米国は、核に関する知見・識別、除染、医療支援を任務とする米海兵隊放射線等対処専門部隊(CBIRF)約150名を4月2日から5月4日まで派遣、この間、陸上自衛隊部隊との合同訓練や、福島県立医大での意見交換などを実施した。

細野補佐官はまた、内部被ばくを測定するホールボディ・カウンタについて、全国の原子力発電所内に49台、現在の2次・3次避難地域に26台、その他に30台の合計105台あり、そのうち可動式のものを福島に移動して、できるだけ早急に多くの人の内部被ばく線量を測りたい、とした。


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