仏アレバ社 ローベルジョンCEOが退任 後任はウルセル氏

仏首相府は16日、世界最大の原子力産業複合企業であるアレバ社のA.ローベルジョン最高経営責任者(CEO)が任期満了に伴い退任すると発表した。後任には、候補として名が上がっているL.ウルセル副CEO(=写真)を支持する方針だ。

CEO交代の理由としてF.フィヨン首相は「大株主である国が管理チームの刷新を望んだため」と説明。この人事は今月末にも、アレバ・グループ監査役会が承認するとしている。同首相はまた、ローベルジョンCEOがアレバ社を世界でも有数の大手企業に育て上げたとしてその業績を讃える一方、ウルセル氏には同社の競争力強化を通じて業績を改善し、さらなる拡大を続けるよう要請。同社の戦略的な投資を支援するため、政府が昨年12月に3億ユーロの増資を申し出たことを強調した。

2001年7月にアレバ社CEOに就任したローベルジョン氏は、大統領府顧問や官房副長官、コジェマ社でも会長兼社長を務めるなど、政治および経営手腕の高さで知られる。しかし、アラブ首長国連邦の原発建設入札に失敗した責任を議会で追求されたほか、フィンランドで欧州加圧水型炉(EPR)の建設が経費超過に陥っている点も仏国の競争力を危うくしていると批判を受けていた。

また、大統領および仏電力会長との間で確執があったことも、再任が認められなかった理由として伝えられている。

ウルセル氏は仏産業省の天然ガスや石炭、電力部門等で勤務した後、1993年から世界最大の送電機器メーカーであるシュナイダー・グループの社長を務める。04年から物流大手のGEODIS社のトップを経て、07年にアレバNP社に会長兼社長として迎えられた。2010年の組織再編後は原子力事業担当最高執行責任者としてマーケティングと国際プロジェクト事業を進めていた。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで