ブルガリア 原発改修でWH社と協力覚書

ブルガリアの国営エネルギー企業であるBEH社は13日、コズロドイ原子力発電所における改修作業で東芝傘下のウェスチングハウス(WH)社と了解覚書(MOU)を結んだ。

改修対象となるコズロドイ5、6号機は100万kW級のロシア型PWR(VVER)で、それぞれ1988年と93年に運開。同国では1〜4号機(各44万kWのVVER)を欧州連合への加入条件として閉鎖したため、これら2基は現在同国で唯一稼働中の原子炉である。後続としてベレネ原子力発電所を建設する計画もロシアの協力で進めているが、建設資金の調達問題により着工に至っていない。

コズロドイ5、6号機は2017年以降に現在の運転認可が切れるが、同国政府は昨年秋に両炉の運転寿命の20年延長は可能と判断した。WH社はそのための改修作業、および計装制御系に対する支援も提供するほか、1〜4号機の解体・廃止措置も支援。これに加えて、燃料の供給、放射性廃棄物の処理処分など燃料サイクル分野、および検討中の7号機の建設についても今回の覚書でカバーされるとしている。

なお、BEH社は今年4月、仏アレバ社とも民生用原子力発電プログラムおよび再生可能エネルギー分野で協力する了解覚書を締結した。

アレバ社は、ロシアのアトムストロイエクスポルト社が受注したベレネ発電所計画で、下請け企業として計装制御系等を受注済み。ベレネ計画でBEH社と一層緊密に連携していくだけでなく、第3世代原子炉設計のリストを覚書の中でブルガリア側に提示しており、WH社と同様、コズロドイ発電所の後続炉計画でも建設受注を狙っていると見られている。


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