玄海原発運転再開で地元合意へ 海江田経産相、知事・町長と直接会談 地震・津波対策に一定の理解 地元で説明会開催・放映

海江田万里・経産相は29日、佐賀県を訪れ、九州電力・玄海原子力発電所の定期検査後の再起動について、岸本英雄・玄海町長、古川康知事に対し個別に要請した。岸本町長は福島第一原子力発電所事故後の地震対策について理解を示し、再稼働を容認する考えを伝えた。また古川知事も「問題点はクリアされた」として、近く最終判断を下すことを示唆した。

海江田大臣の訪問を前に、経済産業省は26日、玄海原子力発電所の運転再開に向けて、住民の疑問に直接回答する説明会を佐賀市のケーブルテレビ・スタジオで開催した。同省が停止中の原子力発電所立地地域での住民説明会を行うのは事故後初めて。玄海発電所2号機と3号機は定期検査が実質終了しているものの、今回の福島第一原発事故に関連して、古川知事が再開に慎重な姿勢を示していた。

住民側の参加者は地元の広告代理店が作成した候補者リストから政府が選出した地域経済団体役員や大学生など7名のみで、古川知事や岸本町長、県議や県民はケーブルテレビやインターネットの生中継で会の様子を視聴した。寺崎宗俊・佐賀新聞客員論説委員がコーディネーターを務めた。

説明会では、まず黒木慎一・保安院審議官が福島第一原発の事故や玄海発電所で行った安全対策について説明した後、質疑応答を行った。住民から出された玄海原子力発電所の安全性への疑問や事故収束前に運転を再開させる不安などに対し、国側は同原子力発電所の安全性は確保できていることを強調した。

佐賀県では、8日夜にも県民対象の説明会を県中央の多久市で、公開の場で再度開催し、経産省から説明を受ける。


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