政府 災害汚泥処理で方針示す 基準値以下なら埋立可

政府は16日、福島の原子力災害に伴い、東日本を中心に、浄水発生土、下水汚泥等から放射性物質が検出されていることを受け、下水処理場などから発生する脱水汚泥および、これらを焼却・溶融処理した物に関する当面の取扱方針を取りまとめ、関係各省に対応を指示した。原子力安全委員会が去る3日にまとめた原子力事故の影響を受けた廃棄物の処理処分に関する安全確保の考え方を踏まえ、処理、輸送、保管に際しては、周辺住民や作業者が受ける放射線量が可能な限り1mSv/年を超えないよう、配慮すべきなどとしている。

具体的には、(1)焼却時に放射能濃度が継続して高い場合は集塵装置の適切な能力確保が必要(2)放射性セシウム濃度が10万ベクレル/kg以下の汚泥等は住宅地等と適切な距離を保ち管理型処分場に仮置き可(3)同8000ベクレル/kg以下ならば跡地を居住等に利用しない前提で埋立処分可(4)他の原料との混合等を考慮し市場に流通する前にクリアランスレベル以下になる物は再利用可――などとなっている。生コンクリートや地盤改良材に再利用する場合は、希釈を考慮し、セメントの段階では、クリアランスレベルの2倍の濃度まで許容されるとしている。

脱水汚泥等の処理・処分に関する技術的評価は、日本原子力研究開発機構が実施しており、焼却処理、仮置き作業、埋立作業、処分場の跡地利用のそれぞれについて、パラメータを設定し、妥当性を確認した。

本方針を受け、国土交通省では17日、下水道における放射性物質対策に関する専門家会合が始動している(=写真)。


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